テスラ インドで販売開始か!?

テスラ インドで販売開始か




テスラが、販売数拡大を目指しインド市場に注目しているとニュースがありました。

様々な車メーカーが狙ってきたインド市場に、果たしてテスラが販売網を拡大できるのか、さらに工場建設を行うのかなど、インドの政治や国民所得、文化などの面から考えたいと思います。

概要まとめ

・テスラからインド政府へ、現在の輸入関税60%~100% → 40%へ引き下げ要求

・インド政府からの発表は、輸入関税引き下げは行わない

・インド市場の電気自動車事情は日本と似ている

インドの自動車市場

インドは、人口が中国に続き世界で2番目に多く、アジアで3番目に大きな経済市場があると期待されています。

自動車販売台数は、年間240万台で、そのうち電気自動車は5,000台です。(約0.2%です。)

インドでのシェアランキングトップのスズキの売れ筋自動車の販売価格は、20,169ドル(約222万円)です。

一方で、売れている電気自動車の販売価格は28,000ドル(約308万円)と価格のギャップは存在します。

価格差の約100万円がどの程度影響しているのかを知るために、インド人の年間所得を確認してみます。

年間所得は20,000ドル(約220万円)程度であり、もし車を購入するには場合は消費税が30%かかります。

ということは、300万円がガソリン自動車で、400万円が電気自動車となりますね。

年収よりもかなり高い車を購入するとなると、一般人には厳しいものがありますね。

そして電気自動車はというと、年収の約2倍です。

マーケットは大きく見えますが、比較的低所得なので、インドでの販売台数拡大は、意外と進まないかもしれませんね。

人口が日本の10倍と考えると、絶対数は多いので自動車メーカーとしては売れる市場として位置付けられる可能性も十分にあります。

加えて、電気自動車参入において一番の課題となる充電インフラ整備ですが、インドも日本と同じく充実していないようです。

国民の所得とインフラ整備の2点から電気自動車の販売数が伸びないのも理解できます。

テスラからインド政府への要求

7月末にテスラはインド政府に手紙を送り、電気自動車の輸入関税の大幅な減税を求めました。

減税を求めるのは、テスラだけではありません。

過去に同じように、他の高級自動車メーカーも輸入関税減税を働きかけてきましたが、ほとんど成功した事例はありません。

インド政府は、地元製造業を後押しするために、世界で最も高い輸入関税をかけて企業を保護しています。

具体的には、販売価格が40,000ドル(約440万円)未満で60%、40,000ドル(約440万円)以上で100%の輸入関税がかかります。

今回テスラの要求は60~100%ある輸入関税を一律40%に引き下げるものでした。

この狙いとしては、イーロンマスクがTwitterでこのように回答しています。

訳しますと、テスラの狙いは、

①輸入車を持ち込み、需要の調査

②販売数に応じて、工場建設を検討

という流れのようです。

様々なメーカーがインド工場を持っていますが、Appleを例にとると、以前に大きなストライキで工場が止まる事件がありました。

同じようなストライキが問題が起こらないか、そして市場はどれほどのポテンシャルを持っているのか、工場建設する価値があるのかなど期待を持って且つ慎重に進めているように見えます。

インド政府からテスラへの回答

今週月曜日、8月2日にインド政府から「輸入関税は引き下げない」との発表がありました。

加えて、政府から国内税の引き下げと充電インフラを追加し、電気自動車販売促進処置を行うとの発表もありました。

イーロンマスクの思惑通りには進みませんでしたが、インド市場もゆっくりとEV化に向けて進んではいるようです。

あるインドのメディアでは、発表を聞いてこのように伝えています。

貧しい国の人々の道路整備が進まないと地球温暖化は危険なレベル以下に保たれない。

そして国が車購入補助金、充電インフラを支援することで、諸費者は簡単にガソリンエンジンを放棄できる。

インド人が自国のことを”貧しい国”と言うかはおいておいて、メディアにもEV推進派はいるようですね。

インド市場での他の輸入電気自動車

輸入関税が引き下げられないとのことで、テスラが持つラインナップの中で、一番販売価格が低い車種は、モデル3のスタンダードレンジ+です。

40,000ドル(約440万)未満の車は60%の輸入関税が必要です。計算すると販売価格64,000ドル(約700万円)。

加えて消費税が30%必要なので、合計900万円くらいになります。

これ売れるのかなといった価格帯ですね、

他の購入自動車メーカーを見てみましょう。

メルセデスベンツはEQCをインド市場で販売しています。価格は13,4000ドル(約1500万円、輸入関税込み、税抜き)。

アウディe-tronは13,490ドル(約1500万円、輸入関税込み、税抜き)です。

メルセデスベンツ、アウディと比較するとテスラは半分の値段であり、お買い得ではあります。

しかし。比較する対象が電気自動車というだけで、セグメントが違いすぎるので比較にならないでしょう。

インドの電気自動車のこれから

インド市場で最大シェアを持つスズキ(マルチ・スズキ)ですが、電気自動車参入はしないのでしょうか?

マルチ・スズキの会長は決算でこのような発表を行っています。

電気自動車戦略は”経済と一致している必要がある

バッテリーコストが下がり続けるのは認識しているが、電気自動車が実用化されるかわからないため、ガソリンエンジン同等レベルに安くなるまで、天然ガスとのハイブリッドエンジンの開発を強化する。

上記のようにスズキのポートフォリオに電気自動車はありませんでした。

日本のスズキの状況も考慮して、早くても3年以内に世界へ販売開始といった状況でしょうか。

スズキはトヨタはパートナーシップを結んでいますので、EV化に向けてスローであるといった姿勢なのでしょうね。

インドでトヨタのハイブリッドを販売する場合、テスラと同じように輸入関税がかかります。

ヴェルファイヤは12,000ドル(約1300万円、輸入関税込み、税抜き)です。(笑)

まとめ

テスラの輸入関税引き下げ要求に対して、インド政府は要求を拒否しました。

しかし、消費税減税と充電インフラ整備は進めるとの前向きな姿勢を示した。

そして、インドでの電気自動車参入の壁は3つでした。

①高コスト(輸入関税60%~100%)

②低所得

③充電インフラ不足

3つのうちどれか一個でも壁がなくなると、電気自動車販売拡大は加速しそうです。

以上です。終わり。

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